▼最近、私は、John Ashberyという人を発見して、特に、「The Young Prince and Young Princess」という詩が気に行っております。

▼米文学に詳しい人には有名な詩人なのでしょうが、日本人の詩ですら昨年の秋に読みはじめた私には未知の人物でした。

▼この詩は、出来の違いはもちろんあれど、私が先日、戯れに書き飛ばした「夏計画」という書き物に設定とかムードが似てるなあ、と自惚れたりして、一瞬にして惚れてしまいました。

▼彼は俳句(HAIBUN)も書いているようですね。

▼また、彼の詩は、逃げをうつかのような曖昧な書き方で、理解の浸透を拒んでいるような作風だそうです。

▼それと、彼の詩はすべて詩についての詩である、とも言われていたりするようですね。

▼つまり、書くという行為にまつわりついてくる、直感や予感や不審や推測や、それに不随する愉悦、瞑想、感傷などが彼のスタイルであるらしいです。


■「私は詩の中で陳述を述べたりはしない。詩はすでに誰かが言った陳述について思いをめぐらすようなものでなくてはならない」とか言ってます。

▼知覚のプロセスを辿るような記述こそが詩である、ということでしょうか。彼の詩はポラックの絵画などと比較されたりすることが多いとか。

■"Ode to Bill"

What is writting?
Well, in my case, it’s getting down on paper
Not thought, exactly, but ideas, maybe:
Ideas about thoughts. Thoughts is too grand a word.

■「ぼくにとっては書くことは思いつきを紙の上に書きつけるってことにすぎない。それは思想についての思いつきかもしれないね。だけど思想なんて言葉、いかにも大袈裟だよね。そうは思わないかい? というのもひとつの思いつき」

▼って感じでしょうか。

▼基本的に「野暮な事は言いっこなし」という態度で、すべてを茶化しているような態度のように思われます。

▼ところで、図書館でいろいろ立ち読みしていたら、ハロルド・ブルームという批評家がこんなことを書いているそうです。

■「詩への愛は権力愛のもうひとつの変種であり、私たちが読む(あるいは批評を書く)のは同一化または所有のイリュージョンを略奪するためである」

▼ではまた。

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